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2019年8月

スーパー200の生地でスーツを仕立てる。①

ロロ・ピアーナから届きました。

ロロ・ピアーナの最高峰のコレクション「ゼニス」にある、スーパー200の生地です。

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いままで、スーパー170を日常使いに、冬用のここぞの一着にゼニスのカシミヤ、ビキューナ混の生地を昨年に2着仕立て、通年用には次は何かと迷い、この生地に至った次第です。

これらの高価なスーツはテーラーが許される数少ない贅沢です。

せっかくなので、当店のフルハンドラインで作るものか、迷いに迷い フルハンドメイドラインの中でも最も上質な縫製にしようと、地場のテーラーさんにお邪魔しました。

何故、テーラーさんにお願いしたか、芯地などの細部にもこだわりたくなったからです。

あれこれと注文を付けるわけですから、意思疎通がしやすい、馴染みの地場のテーラーさんということになったのです。

去年はホワイトカシミヤのコートをお願いしています。今回で二度目の注文です。

前回のホワイトカシミヤのコートは賛否があるのは覚悟の上でしたが案の定、賛否が分かれました。(笑)

生地の色はともかく、ポロコートとしては最高の出来栄えでした。

ヘビーウェイトの生地でしたが着ると重さを感じさせないのは、首と肩に重さが分散して肩に乗っている、すなわち良い仕立ての証です。

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この生地は驚くような軽くしなやかさ、肌触り、光沢、ドレープがある反面、撚りが甘く、コシがなく、毛羽立ちがあり非常にデリケートな生地です。

非常に扱いにくい生地です。 この生地を活かす仕立ては構築的な固い毛芯が相性が良いと考えました。

しかし、テーラーさんのご提案で「風合いを生かすあえて柔らかい毛芯はどうか」といわれ「お任せします」と一言。(笑)

今度、インポート物の毛芯を仕入れていただけることに。

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ちなみに毛芯は縦糸はコットン、緯糸はウール、獣毛、化繊で構成されています。

この写真の毛芯は二層構造ですが通常の冬用の毛芯はフェルト、胸増芯、台芯と3層構造になっています。

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(わかりずらいかもしれませんが冬用の毛芯は3層です)

一般に最高級のものは本バス毛芯といわれます。

バスは漢字で書くと馬巣です。 通常は胸増芯に馬の鬣(たてがみ)を使ったものをバス芯といい、馬のしっぽの毛を使ったものを本バス芯といいます。

特にベストはダブルのショールカラーにしたいのと、この生地で仕立てる上で毛芯を使いたかったからです。

通常、ベストはスレキまたは、接着芯を挟み、毛芯を入れるという事はしません。

夏場ジャケットを脱ぐことを考慮すれば、「ジャケットの代わりなるベストを」という事で構築的な物を注文しました。

テーラーさんと二時間ほど談笑してしまいました。 テーラー特有の苦労話とか(笑)、先輩としての貴重な経験談お聞かせ頂きました。 仮縫いが楽しみです。

ロロピアーナ新作紹介

大阪店がオープンし、一週間がたちました。

ここで改めてCorvoの主力であるロロ・ピアーナについてと代表的な生地コレクションの 特徴についご紹介していきたいと思います。

ロロ・ピアーナは1924年、イタリアのピエモンテ州ベルチェッリ県クアローナで、最高級カシミヤと最高級ウールを扱う生地メーカーとして創業されました。

ベルチェッリ県の隣には数々の生地メーカーの工場が建つ高級織物産地として有名なビエラ県があり、ロロ・ピアーナも名門生地メーカーとしてその名を連ねています。

ロロ・ピアーナがここまでのメーカーとなれたのは「最高の製品のみを保証する」というポリシーがあり 「ミル」という、工場や織機を所有し、糸の原料である繊維の生産から毛糸の紡績、服地の織布といった生産を主とする毛織物工場の枠だけでなく 布地の流通、さらにオリジナルの洋服、小物の製品化まで自社で一貫して行うSPAという業態をとり、そのクオリティを維持しているからです。

オリジナルの製品は、洋服や小物をメンズだけでなくレディスやキッズ向けにもさまざまなアイテムを展開しており、 ラグジュアリーなトータルファッションブランドとして世界のハイクラスな方々から愛されています。 高い生地と言えばSuper●●'s表記、と形容してもいいほど高級生地ブランドは原毛の細さに拘り、滑らかさと艶を追及しているものですが ロロ・ピアーナの生地のなめらかで柔らかい手触りと、しっとりとした上品な艶は他のブランドからも一線を画しており スーツに詳しくない人にも、触れるだけでその高級感が伝わるでしょう。

また、ロロ・ピアーナは細番手ゆえの凝った織り方をした繊細なテキスタイルデザインも魅力です。

同系色だけで織り上げるのではなく、色糸をポイントとして入れることで深みが出、また馴染みやすさも兼ね備えます。

チェック柄が特にロロ・ピアーナらしさが出やすく、遠目からは無地に見間違えるようなマイクロチェックがおすすめです。

TASMANIAN Super150's Wool このタスマニアンは、ロロ・ピアーナの名前が世界に広まるきっかけとなった、代表作ともいえるシリーズです。

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上質なSuper150'sのタスマニア産メリノウールを100%使用し、最新テクノロジーによって織り上げると 柔らかい手触りと艶に加え、耐久性、防シワ性などの実用性も兼ね備えた仕上がりになります。

さらに蒸発性があり、重さも250gと軽いため、オールシーズン着用いただけます。

柄は代表的なシリーズということでカラーバリエーションが多く、ロロ・ピアーナらしいデザインが多くあり、 もちろん定番のデザインもありますが、柔らかみのある絶妙な色味で作られています。 生地の性能、デザインから、日本のビジネスシーンに一番馴染むコレクションと言えるのではないでしょうか。

 

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WISH Super170's Wool WISHとはオーストラリア産のスーパーファインメリノウールの中でもSuper170'sという極細の原毛を100%使用して織り上げられた ロロ・ピアーナのなかでも最上級に位置するシリーズです。

カシミヤに匹敵するとも言われる、肌に吸い付くような柔らかい風合いと、それからなるドレープ感は 着る人の格を上げ、ここぞの勝負スーツとして活躍してくれるのではないでしょうか。 WISHの生地見本が先月より新しくなったのですが、前回まで270gだったのが260gへと軽くなりよりオールシーズン向けへ。 肌触りは少しシャリ感が出たことから、糸の撚りをさらに強くしたことが分かります。

柄も元々タスマニアンと比べると落ち着いた色柄が多かったのですが、新作はより色糸を使った生地が増え ロロピアーナらしさが顕著になったように感じます。

前作より耐久性が上がり、柄の馴染みやすさも含め通常のビジネスシーンに合うようにもなりました。

Wool & Cashmere FLANNELS 最高気温を出すかという季節にご紹介するのは気が引けるのですが、冬の生地にも変化がありました。

いかにも冬用の生地、という起毛したフランネル生地となっているこのシリーズ ウールの丈夫さ、暖かさという要素を軸にして、 カシミヤの配合は5%ではありますが、特徴のぬめり感のあるしなやかさも表現された生地となります。

柔らかくもしっかりした生地ですから、仕立て上げればドレープが美しく出て、品よく優しい印象になります。 デザインは冬用と言っても暗い色のみに落ち着かず、ロロ・ピアーナらしく多色混ぜ込んだり、ポイントの色使いで重くなり過ぎないようになっています。

今回の新作は紫の色糸を使ったデザインがあり、遊び心を持ちつつも優雅で高貴な大人の男性を演出してくれます。

大阪店リニューアルオープンのお知らせ

大阪店リニューアルオープンのお知らせ 8/1より、ヒルトンプラザイースト4FにてCorvo大阪店をリニューアルオープンしております。

また、ご購入いただいたお客様にはささやかながらプレゼントをご用意いたしました。

お知らせページ( http://www.sartoriacorvo.com/contents/2019/07/post-97.php )

営業時間は11:00~20:00、年中無休へ変更となっております。

お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りくださいませ。

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