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代表コラム

2019年AWのトレンドはさらに英国調へ

昨年のトレンドは継続して英国調と言われています。

今季はより英国調へと傾いているように感じます。

生地の流行で行くと生地感はイタリア、柄は英国に寄せたものが流行りというのが取れやすいかもしれません。

色味はグレーが多く、柄はグレーンチェックにオーバーペンといった格子柄が今季は良く出ます。

イタリア生地メーカーからはツイード生地の提案も多くあります。

かなり織が甘めのソフトのものが割と提案されています。

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スーツのディテールとしてはチェンジポケット、サイド尾錠といった英国由来のものを注文が増えています。

シャツにも英国調の流れがやってきています。

衿の開きはワイドからセミワイド、レギュラー、前立てあり、ダブルカフスというものが増えています。

ピンホール、タブカラーも雑誌ではよく見かけますね。

雑誌などの露出に比べ、一般には少々難しい組み合わせのようであまりオーダーは入りません。

衿と袖の生地を白の別生地にする、クレリックも再注目されています。

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私がこの業界に入った10年前はクレリックが多かったのですが最近まで全く出ませんでした。

生地もイタリア系の細番手の柔らかく光沢のあるものから、低番手の武骨なハリの生地も再注目されています。

コートに関していえば生地をたっぷり使った長め丈のものがトレンドです。

ベルトを付属させたコートが今季のトレンドです。

軽やかな仕立ては継続したトレンドです。

流行は追う必要もありませんが、避ける必要もありません。

なにか一つ取り入れるだけで、いつもと違う新しい着こなしが見つかるのでは?

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上質なコートのススメ

ただいま、コルヴォではオーダーメイドコートフェア―を開催しています。

詳細はこちらから

コートフェアにちなんでコートの話題へ

コートって防寒の意味合い以外に「ステータスシンボル」という意味合いがあります。

男性のステータスシンボルは車、腕時計、スーツといったものがあげられます。

車が発達するまではその役目をコートが担っていました。

「日本でも車社会になるまではカシミヤのコートを男はみんな、一着は持っていた。」

と60過ぎたテーラーは口をそろえて言います。

車社会になって防寒の必要性も薄れ、コートの需要は減ったと。

「休日におしゃれして、(男性は)カシミヤのコートを着て百貨店、レストランに行ったものだ。」

「昔は、500g以上の目付の重い(コート生地)のが多かった。

いまは軽くて風が吹くとバタバタする安っぽい生地が多い。」

「一着、給料の2~3か月分するコートでも良く売れた。」

と馴染みのテーラーさんはよく口にされます。

昔ながらに、上質な厚手のロングコートはいかがでしょうか。

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オーダーメイドのトレンチコートの取り扱い

今季よりトレンチコートを取り扱いを始めます。ですので今回はトレンチコートのご紹介。

トレンチコートはポロコート、タイロッケコートをベースに第一次世界大戦中に塹壕の中で闘う兵士の為にバーバリーによって開発されたと言われています。

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出典;https://isshomono.com/coat/post-5747

個人的にトレンチコートは初めてスーツ用に買ったアウターなので非常に思い入れがあります。

トレンチコートには各種の意味のあるディテールがあります。

ダブル(防寒性を重視)、肩の肩章(正確にはピストルの下げひもを掛けるもの)、胸のパッチ(ライフルの銃床が当たり擦れを防ぐため、またはすべての釦を閉じた際に雨水の侵入を防ぐものとも)、ベルトのⅮ環(手榴弾をぶら下げるもの)、背のパッチ(雨水の侵入を防ぐ)。

現在では簡約化されすべてのディテールが付属するわけではありませんが。

すべてのディテールをてんこ盛りにするとミリタリー感が強くスーツのアウターとしては馴染みにくいのは事実です。

簡略化もトレンチコートの時代に合わせた進化の過程でしょう

因みに、トレンチコートにコットンの生地が多いのは、塹壕は兵士が隠れる堀みたい穴なので、雨が降ると水浸しになるため、防水加工のコットン地のギャンバジンの生地が使われました。

トレンチコートのミリタリーな実用性を兼ねたデザインは機能美が評判となり戦後、余剰品が民間に流れ、冬用のアウターとして広まりました。

ちょっと古いですがトレンチコートは、お酒と並び大人の男性の象徴にも思えます。

映画「カサブランカ」でスーツにトレンチコートを着たリックが、紙巻タバコを鉛筆持ちし、グラスを捧げ、「君の瞳に乾杯」と言うセリフはあまりに有名です。 トレンチコートのベルトはウェストがシェイプされXラインが強調され、スタイルがよく見るため女性にも人気なコートとなる所以です。

最近は似た効果を目的に、チェスターコートにもベルトが付属するものが多くなっています。

仕立て職人にお願いしようにも、トレンチコートを作れる仕立て職人はほとんどいません。

ちなみに、トレンチコートはウールで作るのが今では定番化しています。 元がポロコートなのでウール生地で仕立てても違和感はないわけです。

20191013133625.jpeg出典;https://openers.jp/Gallery/1354219?gallery_page=142

ウール生地のトレンチコートはドレッシー感が出るので、ドレススタイルがお好きな方、スーツにも好相性。 最近ではバーバリーなどにてカシミヤ100%のものも出ています。

非常にドレッシーな印象で、こうしたコートが今後さらに流行るのではと思っています。

従来のオーダーメイドのトレンチコートは既成のラインを流用する場合が多いのです。そうした工房は、コットン生地のトレンチコートをメインに作る工房ですので、ウール生地と違い、コットン生地は熱可塑性がなく、アイロンワークの技術がなく、はなからアイロンワークを施さない工房が多いのです。

そうした工房で、ウール生地のトレンチコートを仕立てると寸法は合っているのにどこか、平面的なコートが出来上がるわけです。

アイロンワークの施されていないジャケット、コートはどこかチープな印象を与えます。

ほとんどのチェーン店ではインポート生地をスポンジングせずに縫います。

生地にも下拵えがあって、インポート生地は輸送中にねじれが生じます。

また日本の気候に合わせる為に生地に蒸気をあて生地のねじれ、水分量を調整します。

この工程をしないと使用中、経年の型崩れの原因となります。

現在、サンプルを製作中ですので出来上がり次第アップします。

スーパー200の生地でスーツを仕立てる。②

職人さんからの仮縫い上がりの連絡を受け 仮縫いに行ってまいりました。

ディラーの社長と打ち合わせ中のご連絡でしたので、社長にカメラマン役をお願いし二人で向かうことに。

道中、社長に「テーラーがスーツを仕立てに行くって、どいうこと?(笑)」

私が「マクドナルドの店員は毎日ハンバーガー食べるんですか?」 「フェラーリ屋がフェラーリを毎日乗らないでしょ!」

とのやり取りを交えつつテーラーさんに車で向かいました。

 

到着すると店の天井が漏水で雨漏りしたのこと。

心で「修理代の足しに、また一着作ろう」と思い。

着せ付けていただくと、全体的にはほぼ完璧でした。

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私が「これでいいじゃないですか?」というと

職人さんが「早い!ちょっと見させて」と慌て顔(笑)

テーラーあるあるで、つい自分のスーツだとお客様のスーツと違いあまり気にしなくなりますね。

ちなみに案外、昔からの腕利きのテーラーでスーツを着て接客する人ってすくないものですね。

ブランドショップではなく、テーラーに定期的に通う方は、「外身より中身」という方が多い気がします。

「自分のスーツが良ければよい」という感覚があるのでしょう。

後から気付いたのですが、僕のスーツを仕立てている職人さんは半袖シャツ。

ジャケットはチェンジポケット、腰ポッケトの位置を微調整。

パンツは特に問題なく調整なし。

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気分でサスペンダーボタンを依頼。

ベストは「襟みつ」「脇下」を1㎝ずつ出す、微調整で完了。

幅広のショールカラーということでラペルの返りを重視し、固めの芯地を入れることになりました。

V型のボタン配置のダブルのベストってデザインが難しいんですが、一発で満足な型が決まりました。

職人さんが製図で悩んで仮縫い予定が10日ほど遅れたとのこと。納期にうるさい今日、職人さんのスーツ作りが真剣だという証です。

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お礼をしつつ店を出、お見送りまでしていただきました。

仕上がりが楽しみです。

スーパー200の生地でスーツを仕立てる。①

ロロ・ピアーナから届きました。

ロロ・ピアーナの最高峰のコレクション「ゼニス」にある、スーパー200の生地です。

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いままで、スーパー170を日常使いに、冬用のここぞの一着にゼニスのカシミヤ、ビキューナ混の生地を昨年に2着仕立て、通年用には次は何かと迷い、この生地に至った次第です。

これらの高価なスーツはテーラーが許される数少ない贅沢です。

せっかくなので、当店のフルハンドラインで作るものか、迷いに迷い フルハンドメイドラインの中でも最も上質な縫製にしようと、地場のテーラーさんにお邪魔しました。

何故、テーラーさんにお願いしたか、芯地などの細部にもこだわりたくなったからです。

あれこれと注文を付けるわけですから、意思疎通がしやすい、馴染みの地場のテーラーさんということになったのです。

去年はホワイトカシミヤのコートをお願いしています。今回で二度目の注文です。

前回のホワイトカシミヤのコートは賛否があるのは覚悟の上でしたが案の定、賛否が分かれました。(笑)

生地の色はともかく、ポロコートとしては最高の出来栄えでした。

ヘビーウェイトの生地でしたが着ると重さを感じさせないのは、首と肩に重さが分散して肩に乗っている、すなわち良い仕立ての証です。

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この生地は驚くような軽くしなやかさ、肌触り、光沢、ドレープがある反面、撚りが甘く、コシがなく、毛羽立ちがあり非常にデリケートな生地です。

非常に扱いにくい生地です。 この生地を活かす仕立ては構築的な固い毛芯が相性が良いと考えました。

しかし、テーラーさんのご提案で「風合いを生かすあえて柔らかい毛芯はどうか」といわれ「お任せします」と一言。(笑)

今度、インポート物の毛芯を仕入れていただけることに。

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ちなみに毛芯は縦糸はコットン、緯糸はウール、獣毛、化繊で構成されています。

この写真の毛芯は二層構造ですが通常の冬用の毛芯はフェルト、胸増芯、台芯と3層構造になっています。

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(わかりずらいかもしれませんが冬用の毛芯は3層です)

一般に最高級のものは本バス毛芯といわれます。

バスは漢字で書くと馬巣です。 通常は胸増芯に馬の鬣(たてがみ)を使ったものをバス芯といい、馬のしっぽの毛を使ったものを本バス芯といいます。

特にベストはダブルのショールカラーにしたいのと、この生地で仕立てる上で毛芯を使いたかったからです。

通常、ベストはスレキまたは、接着芯を挟み、毛芯を入れるという事はしません。

夏場ジャケットを脱ぐことを考慮すれば、「ジャケットの代わりなるベストを」という事で構築的な物を注文しました。

テーラーさんと二時間ほど談笑してしまいました。 テーラー特有の苦労話とか(笑)、先輩としての貴重な経験談お聞かせ頂きました。 仮縫いが楽しみです。

パターンオーダーとフルオーダーの違い。

なかなかわかりにくい違いで仮縫いがあるかどうか、などの誤解を生んでいます。

パターンオーダーはキャドシステムというソフトを使いベースの型紙に修正を加えます。

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フルオーダーもベースの型紙は、マスターゲージと呼ばれるものを使っています。

マスターゲージに修正を加えるという点でパターンオーダーとの差異はありません。

ざっくり言ってしまうと型紙を起こすときパソコン上で行うかの違いです。 ではなぜ、フルオーダーは一般に良いとされるのか?

それは対応範囲の差です。 人の手で型紙を引いた方が体型補正などの調整は、きれいに上がります。 キャドシステムはどうしても定められた項目の補正内容を打ち込み、機械的に補正をおこなうので複雑な補正だと違和感が出ることがあります。

(それでも精度は十年前に比べ断然上がっています。)

キャドシステムも指示さえしっかり出すことができれば、フルオーダーに引けのとらない皺のない、スーツが上がります。

ちなみに一般に胸、腰ポケット位置、前肩、後ろ首などの補正は内容まで指示を聞いてくれるパターンオーダー工房はないようです。

指示を出せるかどうかは採寸師の腕によるところが大きいのですが、、

ハウスモデルに自信を持っている店舗、ブランドはパターンオーダーを採用します。 またはそのブランドの形が好きだという方はパターンオーダーの方がハウスモデルのシルェットの再現率は高いです。

どうしてもフルオーダーは顧客の体に合わせるので、シルェットはブランドの提案するハウスモデルからは離れていきます。

補正を入れなければ再現率は高いです。ですので、フルオーダーのお店でもハウスモデルの再現率を高めたい場合にはあえて補正を入れない場合もあります。

最近のスーツはなで肩気味ですので、ブランド品、セレクトショップのオーダーメイドスーツでも背中に逆ハの字のシワ、月皺が出ていることが多いですね。 補正をいれ、皺を極良くなくすことにこだわるフルオーダーも、顧客の要望に臨機応変に対応すべきですね。

スーツのシルエット

自分に合った、スーツのシルエット選びってなかなか難しいですよね。

フォーマル度が高く、ビジネスシーンに向く、信頼を得るスーツの形は「ブリオーニ」の型が典型です。

割とテーラーでもブリオーニの型を参考にしている職人は多いです。

英国スーツみたいに固すぎず、畏まった感じが適度で平均的でベースにするには良いからです。

コルヴォも創業時はブリオーニの型を参考にしたものを使用していました。(現在は使っておりません。)

南伊(南イタリア)系のスーツはどちらかといえばカジュアルな形です。

フォーマル度の高いスーツの具体的な特徴は、

① 長い着丈

② 広い肩幅

③ フロントカット(一番下のボタンから裾の開き)が閉じ気味。

④高いVゾーン

⑤緩い腰の絞り

となります。

割と③のフロントカットは重要でスーツの印象を左右します。

政治家、固い職種、営業職の方は割とこうした形を好みます。

カジュアルに着たい方はこの逆にすればカジュアルなスーツになります。

 

2019629181753.jpeg(出典https://www.brioni.com/jpから)

ディテールとしては

① ピークドラペル

② チェンジポケット

③アメフラシ袖

を追加していけばカジュアルな印象になります。

 

ご自身の好み、これから自分自身に合ったスタイルを見つけたい方は参考にされてはいかがでしょうか?

夏の暑さを凌ぐ、麻素材(リネン)

最近、注目度が増している麻。

まだカジュアルな世界での流行のようです。

ちなみに麻にも種類があり亜麻のものはリネンとも呼ばれます。

1970年代まで麻は夏のビジネススーツとしても一般的でした。 カンカン帽に開襟シャツに生成りのスーツ。映画などで見たことあるでしょう。

現在では麻のスーツはビジネスの場では独特のシワ感があり、色落ちしやすいこともあり、生成り、白といった色味が多く、敬遠されがちです。

空調設備の整てっていない昔は少しでも涼しくということで麻も許容されていたのでしょう。

麻は、通気性、吸湿性に優れ、気化熱によって涼気を得られます 。

機能性に対しても、見た目は強い光沢があり、透け感と、独特の光沢で清涼感があります。

洗濯すればするほど柔らかく馴染み、白くなるという経年変化の魅力があります。

専門な話ですが一般的に夏物生地は通気性を確保するために、平織りで薄いので、光沢、質感、強度が落ちます。素材自体に光沢があり、強靭な繊維の麻は重宝されます。

麻の魅力とウールのメリットを兼ねた混毛生地も多くありますので、ぜひお試しを。

 

コットン、白スーツ【Corvo(コルヴォ)スーツ】

(麻とコットンの混毛生地のシャツ)

シャツにこだわる。④

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今日でこの「シャツにこだわる」を終わりにします。

高いシャツと安いシャツの違い。

初めは数千円のパターンオーダーのシャツで良いと思います。

サイズと襟型があっているだけでスーツがぐっと引き立ちます。

普段きているスーツの最低1割、欲を言えば2割、シャツにお金をかけることができたらより良いでしょう。

良いシャツは着た人にしかわからないものがあります。

価格の差は生地と縫製です。 シャツは本来、下着でした。

前と後ろが長いのは、前と後ろをボタンで留めて陰部を包んでいた名残です。(嘘じゃありません。)

男性の大事な部分に触れてたもの、ですので肌触りは重要です。

今ではインナーを着てシャツを着る方が大半ですが、本来は着ないのが正式です。

僕は、高温多湿の日本ではインナーを着ることオススメします。

肌触りの良い生地とは糸が細く、本数をしっかり使ったものです。

残念ながら日本では番手表記(高ければ細い糸)を上げて、糸の本数を減らした生地が多々出回っています。

「綿百パーセントはアイロンがかけにくい。」 は嘘です。

糸の本数がしっかり打ち込んである生地はハリがあり、形状記憶とまではいきませんがノンアイロンでも問題なく着れます。

スーツ生地でも同じスーパー120でも値段が違う場合には、この原理があります。

縫製については長くなるのでまたの機会に。

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シャツにこだわる③

シャツってスーツに比べ安く、原価率が高く、あまり儲かる商品ではありません。

ジャケットを採寸するのとほとんど手間も変わらない。

だから、日本の供給側(仕立屋)はシャツを押さないのか、と一人考えています。

仕立屋でシャツを勧められたらよほど暇か、良心的な仕立屋と考えてください。(笑)

また消費者側からすれば、2~3年で使い捨てる、消耗品だととらえられていますしね。

シャツ専門の仕立屋って神戸に一軒、この間、雑誌で見た千葉に一軒しか私は知りません。

シャツに対する意識変化はこれからだと思っています。

シャツって高くても安くても、五枚を使い回した場合、寿命は2~3年です。

 

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シャツの寿命を2年として着用日数は

365日×2年/5=146日

 

3年なら着用日数は

365日×3年/5=219日

 

仮に1万5千円のシャツならば一日当たりおおよそ70~100円です。 高いか、安いかは主観ですが、私は安いと思います。

このブログを見ているという時点でスーツに興味がおありだと思います。 スーツをより際立たせためにもシャツに投資されてみてはいかがでしょうか?

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