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コルヴォ大阪の伝統と変革

スーツが現在の形になるまで多くの変異を遂げています。
 
 伝統とは小さな変革、大きな変革の連続の中で少しずつ変化しているものと認識しています。
 
 一般にブランド、量販店のスーツというものは流行によって裾の開きが大きい、小さい、肩幅が広め、狭め、襟幅、着丈、パットの厚さ、ズボンなら股上浅め、深め、裾幅など時代時代によって徐々に変化しています。
 
 伝統的スタイルはそうしたものの影響を受けます。なぜなら、そうした流行も伝統的スタイルを作り出す要素の一部分だからです。
 
 わかりやすい例で行けば三つボタンスーツです。五年前ぐらいはほとんどのスーツが三つボタンでした。「二つボタンのスーツは古い」なんていわれたものです。しかし2008年頃からイタリア風の二つボタンがまた主流になってきました。これがスーツの流行の変化です。しかし伝統的仕立て屋、ブランドはこの流れに乗りませんでした。
 
 実は二つボタンは戦前までなかったんですよ。段返り(三つボタンで第二ボタンまで襟の折り返しがくるもの)のスーツから派生したものなんです。それが第二次世界大戦後流行になりスーツの主流をしめるようになたのです。現在、伝統的仕立て屋、ブランドは二つボタンが主流です。
 
 伝統的なスーツもこうした流行を取り入れなかったり、取り入れたり、また取りやめたりを繰り返します。流行ほど顕著ではありませんがわずかではありますが長い目で見た時代の流れに変化しています。
 
 Corvoでは伝統的イタリアスタイルの型紙を使用しています。実はこの型紙は十年以上前に作られたものなんです。当時、消費者の方からしたらかなり奇抜なスーツに感じたと思います。現在、Corvoに来られたお客様、業者様含めて古いといわれたことはありません。一度、お若い方からは襟幅が広すぎるとお叱りを受けましたが。
 
 伝統、流行の流れで五年前に細身の流行を受けパンツの型紙は変更されています。(また、現在、太目のパンツへの回帰傾向があります。当店のパンツの型紙はやや細身です。)
 
 伝統にも変化はあります。それに対応できなければ伝統を守れません。伝統を語るものは流行に敏感でなくてはなりませんね。
 
 変革は常にデザイナーの発想から生まれてきます。相反する立場ですがもしかしたら今後、デザイナーがデザインするスーツがまた伝統に変化を与えるのかと考えると次なる変革が待ち遠しいです。
 

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