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2012年4月

ミルとマーチャントの違い

最近は雑誌でも生地ブランドの特集が組まれていたりしていてみなさん生地に関して詳しいですね。お客様から「~ってどうですか?」とご質問頂いたときに私が存知ておらず勉強不足で申し訳なくなることがあります。
 
 生地ブランドが紹介されるということは一般にオーダースーツが浸透してきているということでオーダースーツ業界に携わる者として嬉しい限りです。
 
 ところで、生地ブランドには大きく分けるとミルとマーチャントになります。
 
 ミルと言うのは織元のことです。織元と言うのは自社で工場をもち生地を織っているところのことをさします。
 
 マーチャントとは毛織商社のことで自社で工場を持たずに織元から仕入れた生地を仕立屋に卸す生地屋のとです。また自分たちで生地を企画するのでおしゃれな柄が多いです。
 
 最近ではミルと並行してマーチャントとしても機能しているところもあります。
 
 マーチャントは中間マージンがかかるから高いという指摘もあります。個人的にマーチャント系のブランドは一割、二割、生地値が高いような気もします。仕入れる生地の選定、生地のデザインはマーチャントのデザイナーが行いますのでおしゃれな柄、色が多いです。
 
 ミルでも独自の営業部門、企画部門をもつロロ・ピアーナやカノニコは生地のデザイン性もさることながらスケールメリットが利いていてコストパフォーマンスは抜群です。

ダブルブレストを御提案

 バブルの頃によく派手なストライプにゆったり目のダブルのスーツという方をお見かけしたのですが最近は見かけなくなりましたね。たまにご年配の方が着ているのお見かけしますが。
 
 思い返せばCorvoでもジャケットでダブルの注文を受けたことはありますが、スーツではまだありません。他のオーダースーツ店でも話を伺うとダブルのスーツはあまり出ないとのこと。
 
 正式にはダブルのジャケットのことをダブルブレストといいます。もともと、ポーランドの騎兵が風が入らないように前身頃を合わせたのが由来だとか、水兵が風が入らないようにしたのが由来だとか、諸説あり本当の由来は謎です。(笑)
 
 風が入らないようにするために生まれたのは確かのようです。しかし、風が入らないので夏は暑いです。夏にジャケットを作られる際は通気性のいい麻で作られるといいのですが正直、コットン、ウールはお勧めできません。
 
 しかし、ブレザーの濃紺の生地にダブルに金属釦というのは着る側としては暑いのですが、見た目に清涼感がありますね。
 
 秋冬の話になるのですが、2012年の秋冬はダブルをスーツ、ジャッケトを問わず流行らそうとする動きがあります。
 
 どうしてもダブルは貫禄がでて、すこし太ったように見えてしまいます。少し着丈を短くし、お腹周りのゆとりを少なくしタイト目のものが流行りそうです。
 
 映画に出てくる役者、とくに「007」のボンド、「ゴッドファーザー」のあるパチーノがダブルのスーツを着ていても古臭さは感んじないですよね。シングルのスーツなら既製でもいいのですが(オーダースーツ店の人間がこんなことを言うと怒られそうですが)、ダブルはサイズ感がとても重要です。サイズ感で印象が大きく左右されます。オーダースーツ店で作られてみてはいかがでしょうか。
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