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2012年4月

オーダーシャツ選びの楽しみ

 オーダーシャツ選びってオーダースーツと違いデザイン、生地の柄の多様性で自由度があって楽しいのですが逆に結構悩まれてしまう方も多いのではないでしょうか?
 
 カジュアル用に作るのであればルールはないのですがスーツに合わせる際には色々とルールがあります。
 
 たとえば襟や袖を白くしたイギリス調のクレリックにアメリカ調のボタンダウンは駄目です。またスポーツシャツから派生したボタンダウンにフォーマルなダブルカフスを合わせるのも駄目です。(最近はクールビズでシャツでも装飾色の強いものもありますがデザイン無視のものが多くて厄介です。)
 
 そのデザインがどういう意味合いをもち、どうして、どこで生まれたのかを考えなくてはなりません。そうすると相性の良し悪しが分かります。
 
 また逆に相性がいいのは英国ファッションをイメージしたときはクレリックにダブルカフス、またクレリックにロンドンストライプの生地、イタリアファッションをイメージしたものなら襟に二つボタンがついたドゥエボットーニ、ボタンダウンに両胸に二つポケットなどです。
 
 現在の流行をでは英国、イタリア調のオーダースーツ、オーダーシャツとなんだか二極化しているように感じます。今後、段々と英国が強くなると思いますが。
 
 大きく二つの国のシャツの違いを言うと襟が小さいのが英国、大きく、襟が高いのがイタリアのように別けることができます。
 
 オーダースーツ同様、オーダーシャツにもそのブランドごとのコンセプトがあります。実際に商品を見て店員さんに来て自分の感性にあうお店を探すのも楽しいですね。
 
 ちなみにCorvoが現在取り扱っているオーダーシャツはオーダースーツに合わせイタリア調です。
 
 明確にコンセプトを持ったところは例えば伊勢丹などはあえて選択の自由度を狭め正統で保守的なデザインを提案していますね。

昔の名残り

スーツにも昔の名残りのものって多くありますよね。
 
 ・医者がジャケットを脱がずに作業できるよう袖が開くとか。
 
 ・昔はスーツの形になる前は詰襟で襟にその名残りで釦ホールがあるとか。
 
 ・昔はその襟穴に花を挿したので襟の裏側にフラワーループがある。
 
 などなど例を上げたらきりがないのですが伝統のスタイルを重んじるオーダースーツ店、ブランドのスーツには往々としてそうしたディテールが施されています。Corvoのオーダースーツにもそうした仕様が施されています。
 
 シャツにもそうした仕様があるのをご存知ですか?
 
 昔はパンツがなくシャツが下着の役割がありました。男性の下腹部をシャツの裾の部分で覆っていました。
 
 現在のシャツがお腹の側面に切れ込みがあるのは当時の名残りです。また、予備の釦が裾の部分に付いているものは前と後ろの裾を止めていた名残りです。
 
 Corvoでも新規で取り扱うオーダーシャツは当時のシャツ(下着としての)と同じ作りにすることも可能です。当時のように下着として使われる方はいないと思いますが。文章では説明しにくいのですが大きく前に裾が楕円状に出ています。はじめ何のためにそうなっているのか分からず、女性の営業の方で気まずい思いをしました。(笑)
 
 この仕様がなされなくなったのは1930年代にブリーフが誕生してからだそうです。このブリーフは世界的に大ヒットしその下着メーカーの経営危機を救ったそうです。
 
 また、当時、シャツで下腹部を覆っていただけなので下腹部は不安定でした。ですので仕立屋はオーダースーツを作る際に左右の傾きを手で触り確認しパンツを納める方を若干、大きくしたそうです。ちなみにこの処理を「金ぐせ」といいます。
 
 ちなみに日本人はほとんど左向きだそうです。単なる俗説かもしれませんが着物が左上になるのも排泄のときに便利だったからとも聞いたことがあります。
 
 以前ブログでシャツは「客寄せで粗利が少ない」と書いたら多くのお客様に「シャツだけの注文でも良いですか?」「利益ないのにごめんな」などといわれ余計なことを書いてしまったと反省しています。気にせずご来店ください。(笑)

前肩のスーツはいいスーツ?

 珍しい質問を頂きました。
 
 Q、ここのスーツって前肩ですか?
 
 A、Corvoのオーダースーツは基本は前肩です。前肩でない方には前肩にはしません。
 
 たまに雑誌などでよく「前肩のスーツは日本人の体型に合う」などと紹介されていることがあります。
 
 そもそも前肩というのは日本人の体型が上から見たときに弧を描くのにたいし、西洋人が直線に近いことに対しての言葉です。
 
 オーダースーツを作る際は弧になるように肩を作るのを前肩といいます。
 
 実は前肩にするのにも実は賛否があります。
 
 当然、前肩にすると体型に沿っているので動きやすさ、体に対する馴染みは良いです。
 
 しかし、日本人は総じて体が小さく、肩幅がありません。直線にするより前肩にするとより小さく肩幅が見えてしまいます。
 
 一概にどちらがいいのかとはいえません。たしかに前肩は縫製に技術を要しますがいいスーツの条件にはならにでしょう。
 
 未だに日本のオーダースーツというのは体に沿うことに重点をおきいかによく見せるかの感性が欠如していますね。 

ステッチについて

 最近、よくお客様に「ステッチって入ってる?」聞かれます。
 
 オーダースーツにステッチは今は一般に浸透しているようですね。少し前まではステッチはオプション扱いのオーダースーツ店が多かった気がします。
 
 Corvoでは上襟、ラペル、フロント、胸ポッケト、フラップ、前立て、脇ポケットには標準で入れさせていただいています。
 
 ご希望であれば他の位置にもステッチを入れることも可能です。
 
 Corvoではあまり目立たないように入れるのですが、ジャケットなどの場合、カジュアル感を出すために目立たせたいなどの要望があればテンションを高めにさせていただきいれることも可能です。

同じシャツはシャツでも値段が違うのはなぜ?

 シャツはシャツでもものによって値段もまちまちですよね。オーダースーツやどんなものにもいえることなのですが。
 
 二千円前後のシャツと二万円前後のシャツというのは当然、生地から縫製まで違います。それだけ余分にお客様からお金を頂くにはそれに見合う価値がなくてはなりません。
 
 何が違うかというとまずは生地です。
 
 いい(高価な)生地というのは総じて細い繊維の綿で作られた糸で織られたものを指します。細い繊維は100番手、140番手などというように細い糸にすることができます。また、細い糸というのは肌に馴染みがよく肌触りが非常に滑らかになります。(よく勘違いされるのですが、強度の問題からあえて細い繊維でも太い糸を作る場合もあるので一概に100番手だから良い生地とはいえませんのでご注意ください。)
 
 いい生地というのは本当に気持ちがいいものです。できれば下着を着ずに着ていただきたいです。Corvoでもインポートの100番手の生地でシャツを作られた方は「気持ちよすぎて他のシャツが着れなくなった!」とおしゃられていました。なんだか昔の伊藤園のお茶のCMみたいですね。(笑)
 
 次に縫製の違いなんです。
 
 安価なシャツではロックミシンというものが使われます。高級シャツでは伏せ縫いといい生地の裁断面が肌に当たらないように処理されています。
 
 最近ではユニクロの三千円前後のシャツでも伏せ縫いになっていますね。ユニクロは本当に値段にたいしての品質が本当にいいですね。
 
 手間が非常にかかるオフセット加工なんですが、シャツの運動性について一番重要な部分なんですが袖を後付にすることによって非常に着心地のいいシャツになります。日本製のシャツでオフセット加工がなされたシャツはほとんどありませんね。
 
 また、オーダースーツでも通常の工場では後付をしないのでハンガーに下げた際は袖が捻じれているものがほとんどですね。縫製の優劣を見るには綺麗に前に袖が来るか見ると良いでしょう。(Corvoのオーダースーツは後付です。)

ドット柄のネクタイ

 夏はネクタイをいないという方も多いのではないでしょうか?最近はその分、ネクタイを買われるときはいい物をと高級ネクタイが売れているそうです。
 
 ネクタイはオーダースーツの印象を大きく左右します。また、気を使うところですね。
 
 西欧では改まった席では細かいドット柄のネクタイをよく着用します。ドット柄のネクタイはフォーマルなネクタイとして認知されています。
 
 また、ビジネスでドットタイは重宝されます。派手さも抑えられ、落ち着いた雰囲気のあるドット柄は相手に好印象を与えます。
 
 ちなみに今は蝶ネクタイが流行っているという話も聞きます。
 
 上質なネクタイが御所望の方は老舗ネクタイ専門店として有名な元町バザーがお勧めです。
 
元町バザー リンク先http://www.necktie.co.jp/

今はオーダーシャツ専門店がない!

一昔前ってオーダーシャツ専門店ってよく町にありましたよね。
 
 私が小さい頃、父がスーツはあまり着なかったのですが、毎日シャツを着て働いていたのでよくついって言ったのを記憶しています。
 
 店主兼職人さんがいて大きな生地を手早く裁断していたのを覚えています。子供ながらに自分の服を誂えている父が羨ましく思いました。
 
 Corvoにもお子様連れのお客様がいらっしゃいます。いつもお子さんは退屈させてしまい申し訳なく思っています。今思えば私も父の買い物をよく邪魔したなと思いつつ。大きくなったらお客様としてCorvoへ来ていただけたらなぁと思っています。
 
 話は脱線しましたが、最近はオーダースーツ店の一角にオーダーシャツフロアーがあるように専門店というのはなくなってしまいましたね。
 
 職人さんも高齢化と低賃金のため後継者不足でフルオーダーでシャツを作れるところも少なくなってきましたね。
 
 今まではシャツはどうしてもスーツの二の次という見られ方をしていましたがだんだんと注目されてきているようですね。最近はこだわりを持った専門店がメディアに取り上げられているのでネットで調べてみるのも良いかもしれませんね。

新規のオーダーシャツについて

新規で取り扱う、オーダーシャツについて少しだけご紹介させていただきます。
 
 イタリアシャツに見られるよう柔らかく、体に馴染む、最上級の着心地を体感していただくため縫製、生地にこだわり抜いています。
 
 生地は全てイタリア、イギリス生地をはじめとしたインポート生地のみの取り扱いとなります。常時、100種類以上の様々の素材のシャツ生地をご用意しています。
 
 縫製に関してはお客様のサイズごとに一着ごとの裁断します。芯地にかんしても体になじみのいいフラシ芯となっています。また、袖付けはハンドワークによる後付となっていますので腕の動きやすは抜群です。
 
 仕様に関しても肩に馴染みのいいスプリットヨークを採用しています。また、補強の意味合いもあるガッゼトも標準仕様です。
 
 釦に関してましても、天然素材の貝釦を標準仕様です。
 
 また、別途料金(15000円)で型紙の作成にも対応可能です。型紙のデータは大切に保管させていただきますので二回目以降は必要ありません。
 
 オーダースーツ・シャツ専門店Corvoを今後ともよろしくお願いいたします。 
 
 

研修に行ってまいりました。

 昨日はお休みを頂き、大変ご迷惑をおかけいたしました。
 
 なぜか研修、雑誌取材でお休みを頂いたときに限り、電話着信、業者の方の来客が多いのかといつも疑問に思います。
 
 新規で始まる、新しいオーダーシャツの商品説明、採寸の留意点などきめ細かい指導を受けてきました。
 
 研修にいったら以前、当店に来られたお客様の顔が!業者の方で以前、視察に来られた方でした。(笑)
 
 「オーダースーツ店ができる必ずチェックする。」とのこと。言われてみれば取引の希望の電話をかけた際、住所を言わずに資料が届いたのも前々からチェックされていたからとのこと。ホームページも見られていたとのこと。お恥ずかしい。オーダースーツ業界は狭いですね(笑)
 
 今回、取り扱うオーダーシャツは今まで縫製、生地にこだわっていますので必ずお客様に満足いただけるでしょう。また、製品に関するページも作らせて頂きますのでよろしくお願いいたします。

今季のオーダーシャツの傾向

 今季は三月にしては寒く、雪が降ったこともあってか、全体的にオーダースーツ店のシャツのでが悪いとのこと。「Corvoはよくでますね」と言われました。ブログでしつこいぐらいシャツのアピールをしましたから。(笑)
 
 昨今、本当にクールビズの風潮が高まってきましたね。オーダースーツ店にとって有り難くないお話ですが節電、猛暑などを考えた場合、致し方なく感じます。
 
 私が今年の一月からアピールさせていただいてるリネン地(麻)のシャツが恋しくなる季節ですね。今季は特にリネン地、リネン混合のものが多くシャツ屋さんから提案されてますね。
 
 麻は涼しいのはもちろん丈夫な素材で五年ぐらいはお使いいただけます。丁寧に扱っていただければ十年ぐらいは使えます。
 
 どうしても綿のシャツ生地は磨耗で毛玉ができたり、擦り切れたりします。もって三年ぐらいでしょうか。リネン地は綿に比べ高いですが、耐久性を考えれば少しいつもより高めでもいいのかなと考えたりもします。商売っ気が強くて申し訳ありません。(笑)
 
 リネンにも弱点はあります。それは水分を吸うと縮みやすく、色落ちがあるということです。
 
 しかし、色落ちがしやすいということは白やブルーなどは洗えば洗うほど綺麗になっていくということでデニムのように経年の変化を楽しめます。
 
 また、ポロシャツの素材の「鹿の子」という生地を使ってドレスシャツを仕立てる「ビジポロ」というのが去年から色々なブランドから提案されています。シワにも強いです。また通気性がありますが、冬は冬で暖かく夏冬、問わず使い回しがききます。Corvoでも既に何着か出ています。
 
 リネンもビジポロも共通して言えるのはアイロンをかけなくていいというところです。夏場の暑い時期のアイロン掛けは面倒ですよね。一人暮らしの方、お忙しい方にはぴったりですね。
 
 また、今季はリネン地でのオーダースーツの受注も何件か入ってきました。素材で涼しさを求められるのはオーダースーツ、オーダーシャツならではの強みですね。
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