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大阪店

革靴②

常連のお客様との会話で「イタリア製のスーツと英国製の靴を合わすことはあっても逆はないよね。」というお言葉が出てきました。
 
たしかに英国調のスーツにイタリア靴を(意図的に)合わせるという方は私がいる限り、いらっしゃいません。
 
雑誌などでの合わせをじっくり見ていてもマッケイ製法ぽい、軽い印象の靴自体がないというのは今の英国靴人気の影響かと思いますが。
 
少し古い話ですが2006年の映画、007の「カジノ・ロワイヤル」でボンドを演じた主演ダニエル・クレイグ氏がブリオーニのスーツにジョンロブの靴を合わせたことは話題になりました。非常に贅沢な組み合わせですね。
 
業界の先輩方の話では2006年ぐらい(私は高校生でしたが)は景気が良くなりつつある頃で質重視のスーツやら靴が注目されてき始めた時期だったそうです。
 
ブリオーニなどの高級スーツブランの日本法人が立ち上がり始めたのもこの時期と聞いています。
 
話はそれましたが「イタリア調のスーツに英国靴が合わせられるのか?」について私なりに考察してみました。
 
スーツというのは一般にイタリア調、英国調、トラッド調など言われますが祖先は英国調のスーツです。
 
メディアでは英国調は構築的なシルエット、イタリアは柔らかい仕立て等様々な講釈が成されています。
 
プロの視点でいえば英国調のスーツは固い、ナポリ調は柔らかい、北イタリアはそのあいのこ、これ以上の説明ができるのであればそれは変な話です。
 
この人の顔を見て日本人か中国人か台湾人か見分けろというのを100発100中で正解できる方はまれだと思います。
 
イタリアスーツの代表する、「ブリオーニ」は実は「英国調のスーツを手作業重視で量産する」という創業理念からはじまっています。
 
元を辿ればスーツは英国調なので英国靴を履けば似合うのは自然のながれでそうした合わせになったと思います。
 
しかし、雨降らし袖の芯なしのスーツにコバの厚い革靴を合わせる方はいません。そこはスーツの範疇をこえたものとみなされているようです。

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