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2014年7月

シャツについて②

引き続きシャツについてです。
 
既製シャツにも独自の良さがありますが、オーダーシャツにもまた良さがあります。
 
落合正勝さんがオーダーシャツから既製のシャツに返られたと前回のブログに書かせていただいたのですが、それには時代背景があります。
 
今でこそ、オーダースーツ、シャツはお洒落なイメージですが、十年ほど前まで縫製工場、仕立て屋さんのデザインは現在よりも大きく前時代的で流行に乗った形を作っていなかったことにあります。
 
「大きなゆとりに太いアームホールに狭い開きの衿型」といった、形は市場から受け入れられなくなっていきました。
 
数年ほど前から、仕立て屋さんもネットや情報誌の発達により流行を追った型を起すようになってきました。
 
まるでイタリアのシャツのようなに綺麗なロールを描いた物、腰の絞りを出す腰ダーツ、立体裁断の尻すぼみのカフスなどなど。
 
私自身、ここ数年でオーダーシャツから「ダサい」というイメージは払拭されたと思います。
 
もし落合さんが存命ならまたオーダーメイドシャツに戻ったかもしれませんね。

シャツについて

最近、革靴と同じぐらい凝っているのがシャツです。
 
自分の店の商品紹介より別のブランドの紹介が多く、商売的にいかがなものかなと思ってしてしまいそうになりますが、書きたいことを素直に書く、スタンスで行かせていただきます
 
Corvoでもオーダーシャツの取り扱いがあるので一通りの縫製、デザインについては存知てはいました。
 
しかし先輩諸氏、常連のお客様に触発され、より知識を深めようと数か月まえから、他ブランドを知るために休日はセレクトショップ、百貨店に通い詰めました。
 
見るよりも着てみるべしと私が買おうとしても、合うサイズがなく実際には購入できていませんでした。(泣)誰かブログのお読みの親切な方で、ラージサイズの取り置きのある場所をご存知なら教えてください。
 
既製の高級シャツブランドといえばバルバ、ブリーニ、フライ、フィナモレ、ボレリとイタリアシャツが多い印象を受けます。
 
なぜか私が見て回ったお店にもインポートシャツといえばイタリア製品しかなかったです。
 
近年のタイトフィットの影響か細身のイタリアシャツが日本では好まれているようですね。
 
一般に既製の高級シャツと言われるブランドと10000円前後の価格帯のシャツは生地の違いを除けば、何が違うのかといえば針の運びが小さい、衿が果て付け、袖が後付け、ボタンホールが手縫い、ボタンが手付ぐらいが縫製の違いでしょう。
 
個人的にはシャツのボタンホールを手縫い(手穴)のは糸が切れやすく、見た目も粗く、ほつれも出やすいのであまりメリットはないと感じます。
 
シャツはテーラードジャケットより少ないパーツで構成されます。ほんのわずかな寸法の違いが着心地に影響します。計算しつくされた型紙はそのブランドの味ともいえ、差別化を図るための生命線ともいえるわけです。
 
実はオーダースーツか既製スーツかどちらに価格を除いて優劣があるのかと言われれば、体に合わせて仕立てたものがいいことには異論はないと思います。
 
しかしシャツに限って言えば、そうでもありません。
 
誤解があるとまずいので補足説明をします。
 
オーダーが悪いというわけではありません。前述のとおり型紙は生命線と書いたように各ブランドが趣向を凝らした型紙にはオーダーでは真似できない、シルエットを生み出す力があります。
 
ちなみにCorvoのお客様でもスーツ、ジャケットは当店でご用命されるのにシャツは既製の物を購入されている方が多く、いらっしゃいます。
 
お店の使い方は十人十色です。Corvoでは無理に押し売りは致しません!ただし、あまりにシャツの形があってないようならお勧めするかもしれません。
 
服飾評論家の落合正勝さんも初めは誂えでしたが、最終的には既製のボレッリに落ち着いたそうです。特に「ルチアーノ」という名前のデザインの衿型を好まれたそうです。
 
ボレリといえば「ナポリシャツ」といわれ、数あるシャツブランドの中で最高峰と言われています。ちなみにCorvoのスーツにもボレリの「ルチアーノ」が似合います。
 
特に「ロロ・ピアーナ」の「タスマニア」でお仕立ていただいたお客様にはボレッリはお勧めですね。
 
(同業の方がこのブログを読んでいたら「自分の店のスーツとボレリを合わせろ」、自信満々に平気でいうのは驚かれるでしょうが、Corvoのスーツは品質から見てボレリと合わせても何の遜色もありません)
 
「ルチアーノ」はイタリアでももっと美しい衿型と言われています。

革靴③

国産の革靴も今のトレンドですね。
 
インポートの革靴は少々普段履きにするにしては高価な感があります。
 
また関税が高く、日本に入ってくる時点で更に高くなっています。現地でジョンロブを買えばそんなに高くないというお話も。
 
コストパフォーマンスに優れているといわれ人気がでているのが国産品です。
 
 
 
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(私の私物の革靴も大半は国産です。)
 
「一昔前は国産靴は形がダサかった!いまの国産靴は本当に綺麗になった!」と私が生まれた時には既にファッションを楽しんでいた先輩方はおっしゃいます。
 
ファッションの面で日本の製品のデザイン力が飛躍的に向上しています。
 
国産靴の名ブランドといえば外せないのがリーガルの「シェットランドフォックス」です。
 
「シェットランドフォックス」は1980年代に英国靴に対抗するためにリーガルコーポレーションが立ち上げたブランドでしたが休眠期間を経て2009年に再度立ち上がったブランドです。
 
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出典http://www.shetlandfox.jp
 
 
 
写真からみてとれるように英国を意識しているのが分かります。英国靴より英国ぽっさが出ています。
 
賛否はあるようですが、スーツスタイルには外せない革靴にこだわってみてはいかがでしょうか?
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