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大阪店

「スーツを着て、飯を喰いに行きなさい」

今日はしばらく続いた英国生地の話題から離れて。
 
私が業界に入る際に先輩方に「スーツの着こなしを学ぶにどうしたらいいでしょうか?」と質問した際の返答に「スーツを着て、飯を喰いに行きなさい」とのお言葉がありました。
 
スーツの合わせに関しては雑誌などを読んでいるとある程度の知識はつきますが結局のところは、感性によるところが大きいです。
 
さらに「最低でもランチで5000円以上のところに行け!感性を磨け!」と。
 
私が「そんな金ないですよ!」っといったら「金がないなら喫茶店なら1000円ぐらいだろ!」「感性のない奴は売れる販売員にはなれない!」と厳しい指摘が。
 
私は今でもその言葉を守り、週に一回の贅沢と勉強代と思い、神戸店に出勤の際には向かいの「オリエンタルホテル」で食事をしてから就業します。
 
やはり「オリエンタルホテル」といったところにはカッコいい人たちがいるんです。
 
今でこそ私はアパレルの人間ですが田舎育ち故に高校生の頃は休みの日にも制服の、私服をほぼ持たない人間でした。今でも恥ずかしながらスーツ、ジャケット以外の服は持っていません。
 
着る服がない故にスーツで大学に通い、それがスーツ屋になるきっかけになったようにも思えます。
 
服に無頓着なゆえに感性という点ではアパレルに入るまでは他の人と比べ非常に劣っていたと思います。
 
スーツというとどうしてもビジネス用の用品として見られがちですが、畏まった席以外にも恋人、奥様とのデート、お仲間同士の集まりなどスーツの出番は多々あります。
 
実践において、ビジネスなら黒の内羽根のストレートチップ、デートの際はタッセルスリッポンなどの使い分けを覚えていくこともできます。
 
とくに日本においては服装において、「質素」なことがよしとされる風潮があります。
 
昭和天皇は乃木希典校長の教えに従い学習院時代につぎはぎのある学生服で登校された。
 
司馬遼太郎「坂の上の雲」の主人公である、秋山好古は非常に質素な服を着ていた。
 
また、弟の真之は軍服の袖で鼻汁をよく拭っていた。
 
若い時の織田信長しかり
 
などと服装が質素、無頓着であればあるほど、その偉大さ、俊逸した才能を引き立たせ伝えられるというきらいがあるように感じます。
 
昭和天皇が大元帥として軍服を着用される際には、立派なものをお召しになられています。
 
実際に私も靖国神社で見たのですが、大変に良い仕立てであることがガラス越しからも伝わってきました。
 
その軍服には当時では最高の生地、仕立てが用いられたことは想像に難くありません。
 
小説家は読み物として面白くしようとするため、そうした面を書きません。
 
明治、大正、昭和前期、戦後から1960年ぐらいの政治家の服を見ていると本当に自分の体に合ったスーツ、洋服を着ています。
 
今みたいに既製品が一般的ではなかったからということを差し引いても本当に素晴らしい感性を持っていると感心せざるをえません。
 
私が考えるに当時は華族、高所得層、官僚な、政治家などの階層が色濃い世相からそれ相応の立場の方にはそれ相応の服飾文化が育つ環境があったのだと思います。
 
安倍総理、麻生さんが景気回復、デフレ脱却の見本とする大正、昭和期の政治家の高橋是清さん、「ダルマ蔵相」という渾名の通りまん丸な体をしていますが非常に体型にあった服を着ているので信頼感と安心感を与えます。
 
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(大礼服を着用した高橋是清大蔵大臣)

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